これらの巨大衣装は、ファッションデザイナーの感性だけで作られたものではありません。服飾デザイナー、舞台美術家、構造力学のエンジニア、油圧機器メーカー、照明プログラマーなど、日本屈指の技術者集団による共同開発プロジェクトでした。
長年デザインを手がけたチーフデザイナーの菊池常己氏をはじめとするクリエイティブチームは、毎年春先からコンセプト会議を開始。秋口には実寸大の骨組みを組んで動作検証を重ねました。本番数分間の生放送で絶対に事故を起こさないため、油圧シリンダーには二重の安全弁を設け、停電時でも手動で降下できるバックアップシステムを完備。衣装の布地には難燃加工が施され、数万個のLEDは特注の耐震配線で制御されていました。
本番で万が一システムトラブルが起きた場合を想定し、裏では何十人もの専任スタッフがモニターを監視しながらミリ単位で操作する、まさに日本のものづくり技術の結晶でした。