標準治療を受けなかった約1年8ヶ月の間、麻央さんが頼っていたとされるのが、気功や温熱療法を中心とする各種の代替医療でした。メディアの追跡取材や関係者の証言により、具体的な施術内容が次々と明らかになっています。
特に注目されたのが、著名人や富裕層が多く通っていたとされる首藤クリニックでの治療です。同院では「体を温めて免疫力を高める」と謳う水素温熱療法や特殊な点滴治療が施されていました。さらに、知人の紹介で通い始めた気功師による施術や、体温を上げてがんを抑え込む目的で行う酵素風呂など、複数の民間療法に多額の費用と時間を投じていたことが報じられています。
酵素風呂などの民間療法の効果として、一時的な血行促進やリラクゼーション、主観的な気分の改善は得られる場合があります。しかし、これらに悪性腫瘍を直接消滅させたり増殖を止める抗腫瘍効果はありません。「体が温まって調子が良い」という一時的な体感が、かえって病状の進行を見落とさせ、専門医への受診をさらに先送りさせる要因になってしまったと指摘されています。