小栗旬と藤原竜也の原点を語る上で欠かせないのが、世界的な演出家・蜷川幸雄氏の存在です。1997年に蜷川演出の舞台『身毒丸』で衝撃的なデビューを飾り、弱冠15歳にして「天才新人」と騒がれた藤原竜也に対し、小栗旬は子役出身ながらも泥臭くオーディションを受け続け、自らの力で役を勝ち取っていく青年期を過ごしていました。
2人が本格的に交錯したのが、2003年の蜷川演出舞台『ハムレット』です。タイトルロールであるハムレットを演じた藤原に対し、小栗はノルウェー王子フォーティンブラス役に抜擢されました。圧倒的な演技力と蜷川氏からの直接指導を一身に浴びる藤原の背中を、小栗は強烈な悔しさと憧れを抱きながら見つめていたと述懐しています。
「灰皿が飛ぶ」とまで形容された過酷を極める蜷川組の現場で、怒号に晒されながらも芝居に食らいつく日々が、2人の間に誰にも立ち入れない強固な戦友意識を芽生えさせました。同い年の役者として、逃げ場のない劇場の暗闇で交わした熱量が、現在まで続く深い信頼関係の強固な礎となっています。