この伝説に再び強烈なスポットライトを当てた契機の一つが、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での生々しい仇討ち描写だった。三谷幸喜脚本が描いた曽我兄弟は、従来の美談の枠組みを打ち破り、北条氏や比企氏の権力闘争に巻き込まれ、利用されながらも己の意地を貫くリアルな若者像として視聴者に衝撃を与えた。
放送後もNHKオンデマンドでの再視聴が定着し、若い世代の歴史ファンが曽我の旧跡を訪れるケースが目立っている。さらに近年では、日本の骨太な侍の歴史や復讐譚がNetflixなどの国際的な映像プラットフォームを通じて世界中で配信され、海外の視聴者の関心も集めている。世界が求める「作られた英雄ではない、泥臭く切実な人間の記録」としての歴史ミステリー・伝承ドキュメンタリーの舞台として、小曽我の静かな洞穴が再評価されているのだ。