日本の道路交通法において、大人のチャイルドシート着用を直接義務付ける法律上の規定は存在しない。現行法が装着を義務付けているのは、6歳未満の乳幼児のみだ。警察庁や国土交通省が推進する交通安全運動においても、成人は車載の3点式シートベルトを正しく着用することが基本とされている。
しかし、法的な義務がないことと、物理的な安全が確保されていることは必ずしも一致しない。乗用車に標準装備されているシートベルトは、主に身長150cm以上の平均的な体格を基準に設計されている。小柄な高齢者や成人女性がそのまま着用した場合、ベルトが首にかかったり、骨盤ではなく柔らかい腹部に食い込んだりしてしまう。法律の規定と実際の体格差が生むこのリスクが、安全の現場で問題視されているのだ。