ホウレンソウと並ぶ冬春野菜の代表格でありながら、通年で安定供給される小松菜。農林水産省(MAFF)の生産・流通統計を見ても、都市近郊農業の主力として全国の台所を支え続けている実態が浮き彫りになる。何よりアクが少なく、下茹でなしでも調理に使える手軽さは現代の忙しい生活者にとって最大の武器だ。
ユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食(日本人の伝統的な食文化)」において、一汁三菜の「副菜(日本料理・おかず)」は単なる添え物ではない。主食の米、主菜のタンパク質の間を調和させ、季節感と微量栄養素を補う極めて戦略的なパーツである。小松菜特有の穏やかな苦味と甘みは、出汁の旨味や発酵調味料と見事に結びつき、日々の食事の質を底上げしてくれる。