ドラマ版『永遠の0』において最大の衝撃と話題を呼んだのが、主演の向井理が見せた徹底的な役作りでした。当時、端正なビジュアルでトレンディな役柄が多かった向井ですが、本作のオファーを受けるにあたり、カツラではなく自らの地毛を丸刈り(坊主頭)にして撮影現場へ入る決断を下しました。
向井理自身、祖父が海軍兵として戦争を経験していたというパーソナルな背景があり、本作へ臨む覚悟は並々ならぬものがありました。単なる外見の再現にとどまらず、過酷な訓練シーンや操縦席での孤独な心理描写にリアリティを持たせるため、当時の資料を読み込み、軍人としての規律正しい所作や飛行兵としての鋭い眼光を極限まで追求しています。
「必ず生きて帰る」という信念を貫き、周囲から「臆病者」と罵られながらも家族への愛を守り抜いた宮部久蔵。向井理の演技力に対する評価は非常に高く、物静かな佇まいの中に潜む情熱と苦悩を見事に表現し、役者としてのキャリアにおける決定的なターニングポイントとなりました。