2015年3月18日に放送された『相棒 season13』第19話(最終回スペシャル)「ダークナイト」は、世帯平均視聴率20.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高数値を記録した一方、日本中の視聴者に底知れぬ衝撃と賛否両論の嵐を巻き起こしました。
甲斐享の逮捕理由は、「法を逃れた悪人に暴力で制裁を加える連続暴行犯・ダークナイトの正体であったこと」です。犯行の引き金となったのは、かつて自身の親友の妹が麻薬の売人によって命を奪われ、その犯人が証拠不十分で不起訴になった事件でした。激しい怒りに駆られた享は、警察官の身分を隠して売人に鉄拳制裁を下します。これがダークナイトの誕生でした。
最初の犯行は純粋な義憤と個人的な復讐心による突発的な行動でした。しかし、ネット上で「闇の処刑人」として熱狂的に神格化され、賞賛の声を浴びるうちに、享の心理は変質していきました。「警察が裁けない悪を、自分が制裁する」という全能感と歪んだ優越感の虜となり、2年以上にわたって制裁行動を繰り返すようになってしまったのです。
最終的に、模倣犯による殺人事件が発生したことで捜査の手が伸び、右京の緻密なプロファイリングと物証の積み上げによって追い詰められます。取調室で享と対峙した右京は、怒りに震えながら「君がしたことはただの暴力、ただの犯罪だ!」と断罪。右京自身の目にも涙が浮かんでいました。身近なパートナーの暴走を察知できず、止められなかった責任を取る形で、右京自身もまた「無期限停職」という重い処分を受け、日本を去る事態へと発展しました。