2009年9月、麻生内閣の総辞職に伴う自民党総裁選。圧倒的な逆風のなかで党首の座を引き受けたのが谷垣氏だった。当時の自民党は国民からの信頼を失い、党内には焦燥と動揺が渦巻いていた。自ら「泥をかぶる」ことを厭わず、全国各地をミニ集会で回りながら党勢回復の基礎を固めた姿を覚えている国民は少なくない。
政権奪還に向けた道筋は決して平坦ではなかった。だが、谷垣氏が見せた「政権与党の驕りの排除」と「地道な草の根対話」は、単なる政党再建にとどまらない。議会民主主義における与野党の役割とは何かという問いに対する、極めて明快な答えでもあった。