日本の芸能界における美の基準は、ここ数年で劇的なパラダイムシフトを迎えた。かつて平成のメディア空間を席巻した極端な「卵型・逆三角形信仰」は後退し、表情の豊かさや生命力を感じさせる自然な丸みが支持を集めている。
視聴者が求めているのは、完璧に削ぎ落とされた無機質な造形ではない。日々の感情に寄り添う体温のある表情だ。テレビドラマの現場でも、下顔面に適度な余白を残した俳優のほうが、アップになった際の感情表現にリアリティが宿ると評価されるケースが増えている。ホリプロをはじめとする大手芸能事務所が発掘する新世代のタレントたちを見ても、画一的な美しさより、記憶に残る愛らしさや個性的な輪郭を強みとして打ち出す傾向が顕著である。