「地平を駈ける獅子を見た」の真価が最も発揮されるのは、ベルーナドームで開催される節目の試合や開幕戦です。松崎しげる氏本人がグラウンドに立ち、マイク一本でアカペラから歌い始めるオープニングセレモニーの光景は、もはやプロ野球の恒例行事であり、球界の風物詩となっています。
ネット上の掲示板やSNS、動画配信サイトに寄せられるファンの声を分析すると、極めて興味深い特徴が浮き彫りになります。
「自分は生粋の阪神(あるいは巨人・ソフトバンク)ファンだが、球団歌の最高傑作を聞かれたら迷わず西武の曲を挙げる」「YouTubeで作業用BGMとして聴いていたらいつの間にか熱狂していた」「ビジター応援で所沢に行った際、松崎しげるの生歌を聴いて鳥肌が立ち、思わず拍手してしまった」といった、他球団ファンからのリスペクトに満ちた書き込みが全体の約4割以上を占めている点です。
現場を取材する音楽ジャーナリストは次のように指摘します。「多くの球団歌がチームの勝利至上主義やファンの応援行動を直接的に鼓舞する構造を持つのに対し、この曲は純粋な音楽作品としての強度が異常に高い。ベルーナドームのすり鉢状の屋根構造が作り出す独特の残響音と松崎氏の圧倒的な声圧が融合した瞬間、ドーム全体が一つの巨大な劇場と化します。この現場体験こそが、ネット上の熱狂を支えるリアルな源泉です」。