西日本大震災の被害想定において、死者数の大部分(約7割)を占めるとされるのが津波です。震源域が陸地に近い太平洋沖にあるため、西日本巨大地震の津波到達時間は驚くほど短く設定されています。
気象庁や内閣府のシミュレーションによると、高知県や和歌山県、静岡県の一部の沿岸部では、地震発生から最短2〜3分で津波の第一波が押し寄せます。「揺れが収まってから避難準備を始める」のでは手遅れになる地域が少なくありません。
さらに、太平洋沿岸の津波高予測では、高知県土佐清水市や黒潮町で最大34メートル、静岡県下田市で33メートルなど、ビル10階建てに匹敵する大津波が想定されています。10メートルを超える津波が静岡から宮崎までの広域に押し寄せ、海岸堤防を軽々と越水する恐れがあります。
津波から生き延びる唯一の鉄則は、強い揺れを感じた瞬間、あるいは揺れが小さくても長く続いた場合に、何よりも優先して高台や津波避難タワーへ走ることです。「まだ警報が出ていない」「海面が変わっていない」と躊躇する数分が、生死の分かれ目となります。