2008年春、細木数子氏は突如としてすべてのレギュラー番組を降板し、事実上の芸能界引退を発表しました。当時の記者会見や本人の説明では、「本業である六星占術の勉強に専念する」「後継者を育てるための充電期間に入る」と理由付けされていました。
しかし、メディア業界の内実を知る関係者の見方は大きく異なります。当時、放送倫理・番組向上機構(BPO)による霊感商法・非科学的演出への監視が厳格化していたことに加え、各局で暴力団排除条例の制定に向けたコンプライアンス規定の強化が進んでいました。溝口氏の告発報道によって企業スポンサーから難色を示されるケースが相次ぎ、テレビ局側としても彼女を起用し続けるリスクが視聴率獲得のメリットを上回ってしまったのです。
昭和的な「グレーな人間関係の魅力」を武器にのし上がった細木氏の手法は、平成後期のクリーン化が叫ばれるメディア環境においては受け入れられなくなっていったのが、引退劇の実情でした。