この巨額遺産と占術ブランドのすべてを受け継いだのが、細木数子の姪であり養子縁組を結んだ後継者・細木かおりである。彼女にとって、嵯峨野の自宅を守ることは、先代が築き上げた帝国の威信を背負うことと同義だ。
時代は変わり、メディアの主戦場はテレビからネット空間へとシフトした。細木かおりはYouTubeでの発信やSNSを通じたアドバイス、さらにはTVerなどを通じた過去のアーカイブ再評価など、デジタルネイティブ世代に向けたブランドの再構築を精力的に進めている。先代の圧倒的なカリスマ性と威圧感とは対照的に、親しみやすく現実的なカウンセリングスタイルを提示することで、新たなファン層を開拓した。
占術事業の収益基盤が安定して機能しているからこそ、京都の広大な邸宅も維持できている。遺産相続をめぐる骨肉の争いといった俗世の噂をよそに、事業と資産の承継は極めてシステマチックに完了していたのだ。