この茶屋の魅力を語る上で外せないのが、眼下に広がる「小太郎ヶ淵」にまつわる悲恋の伝説だ。その昔、矢板城主の若き長男・小太郎が身を投げたという切なくも美しい伝承が今も語り継がれている。荒々しくも美しく削り取られた渓谷の地形は、気の遠くなるような年月をかけて水流が創り出した自然の彫刻だ。
大正期に創業して以来、幾多の時代変化を乗り越えてきた。木造の質素でありながら温かみのある佇まいは、周囲の原生林と見事に調和している。アクセス路が整備された現代においても、一歩足を踏み入れれば日常の忙しさを忘れてしまう独特の空気が流れている。