初期の毛嚢炎や軽度の鼻前庭炎であれば、ドラッグストアで購入可能な外用薬で速やかに炎症を鎮静化させることが可能です。ただし、鼻の中という「粘膜に近いデリケートな皮膚」に使用する場合、有効成分の性質を正確に見極める必要があります。
鼻腔内の細菌性炎症に対して最も効果を発揮するのは、医療用でも使用される抗菌成分を含有した抗生物質軟膏です。代表格である「ドルマイシン軟膏」は、グラム陽性菌に有効なバシトラシンと、グラム陰性菌に効くフラジオマイシン硫酸塩の2種類を配合しており、黄色ブドウ球菌の殺菌に適しています。同様に「テラ・コートリル軟膏」や「テラマイシン軟膏」も抗生物質を含み、炎症が強い初期症状に高い鎮静力を示します。
家庭の常備薬として普及している「オロナインH軟膏」は、殺菌消毒作用を持つクロルヘキシジンが主成分です。ごく初期の軽い引っかき傷や表層の肌荒れには有効ですが、毛穴の深部で黄色ブドウ球菌が爆発的に増殖している「毛嚢炎」や「面疔」に対しては、抗生物質軟膏と比較して抗菌力が劣ります。すでにズキズキとした拍動痛がある場合は、オロナインで様子を見るのではなく、抗菌作用に特化した抗生物質軟膏を選択するのが回復への最短ルートです。