ネット上の相談掲示板やSNS上には、不思議の国のアリス症候群を経験した当事者の切実な手記が数多く記録されています。その多くに共通するのは、「発症時の底知れない孤独とパニック」です。
「夜、布団に入って暗闇を見つめていると、突然部屋の壁が数キロ先まで後退したように遠のいた。自分の手を見ると、野球のグローブのように肥大化していて叫び声を上げた」(当時8歳で発症した当事者の手記より)
「大人の偏頭痛の前触れとして起こる。職場のパソコンの画面が指先ほどのサイズに縮み、隣を歩く同僚の動きが昔の無声映画のように猛烈なコマ送り(時間の加速現象)に見える。自分が狂ってしまったのではないかという恐怖で背中に冷や汗が流れた」(30代会社員の体験談より)
特に幼い子どもが発症した場合、自らの視覚の異変を適切な語彙で説明することができません。「お母さんの顔が遠くへ行って小さくなった」「手が大きくて怖い」と泣き叫ぶケースが多く、親側も霊的な現象や重度の心因性ショック、あるいは視力障害を疑って動揺を深めてしまいます。体験談の検証から浮かび上がるのは、周囲の「そんなわけがない」「気のせいだ」という否定的な反応が、当事者の不安を倍増させているという構造的な問題です。