法曹界においても、精神的虐待に対する評価は劇的な変化を遂げている。従来、裁判所や警察は身体的暴力を伴わない夫婦喧嘩への介入に消極的とされてきたが、改正DV防止法の施行や運用の厳格化に伴い、精神的暴力も明確なドメスティック・バイオレンスとして保護対象に含まれるようになった。
法務省の啓発活動や日本弁護士連合会による提言でも、言葉による威嚇や脅迫、経済的圧迫が被害者に与える心身の打撃は、殴る蹴るの暴行と同等以上に深刻であると強調されている。
調停や裁判の現場でも、精神的支配による婚姻関係の破綻が認められれば、破綻の原因を作った加害者側に対する慰謝料請求や、婚姻費用の分担が命じられるケースが確実に増加している。