阿良々木暦というキャラクターがこれほどまでに愛される決定打となったのは、間違いなく声優・神谷浩史による圧巻の演技力です。膨大なテキスト量を誇る一人芝居のようなモノローグ、息をつかせぬ超高速ツッコミ、そしてシリアスな場面で見せる凄みのある低音ボイスまで、神谷浩史の表現力なくしてアニメ「物語シリーズ」の成功はあり得ませんでした。
作中で暦が発する言葉には、西尾維新特有の逆説的かつ鋭い人生観が凝縮されており、多くのファンの心に刻まれています。
・「友達を作ると人間強度が下がるから」(『化物語』)
物語初期の孤立を好んでいた暦の未熟さと脆さを象徴する初期の名言です。
・「お前が勝手に助かるだけだ。人は一人で勝手に助かるだけ」(『化物語』)
忍野メメの理念を受け継ぎ、傲慢な救済者ではなく自立を促すスタンスを表明した言葉です。
・「お前が明日死ぬなら僕の命は明日まででいい――お前が今日を生きてくれるなら、僕もまた今日を生きていこう」(『傷物語』)
忍野忍と交わした、永遠の共生と罪を背負い続ける覚悟を誓った珠玉の台詞です。