もちろん、十円で巨大な版権ぬいぐるみは取れない。ブースの中に詰め込まれているのは、一口サイズのグミやチョコ、消しゴム、あるいは手のひらサイズのミニカーといった超小型の景品ばかりだ。これらは卸値で数円から十円台前半で仕入れられる。
徹底的に切り詰められた原価と、アームの絶妙な爪の角度。一見すると簡単に獲れそうな設定にすることで、客は「あと一押しで落ちる」という錯覚を抱く。数円の駄菓子を落とすために数十円、あるいは数百円が投入される。計算上、利益率は通常の高額景品台よりもはるかに安定しているのだから皮肉な話だ。