Q1:映画の結末で、新之丞はなぜ飯炊き女が加世だとすぐに分かったのですか?
A1:新之丞は視力を失った後、味覚や嗅覚が研ぎ澄まされていました。新しく雇われた飯炊き女が作った料理(特に煮物や味噌汁の味付け)を口にした瞬間、長年連れ添った加世の手料理と全く同じ繊細な味と真心を感じ取ったためです。言葉を交わさずとも「料理の味」を通して二人の心が再び繋がる、本作屈指の名シーンです。
Q2:木村拓哉さんが第30回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を辞退したのはなぜですか?
A2:当時所属していたジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT等への移行前)の方針として、「賞レースにおいて事務所内のタレント同士で優劣を競わせない」「ファンの支えこそが最大の賞である」という基本姿勢を取っていたためです。木村拓哉本人の演技力不足などによるものではなく、業界内では極めて高い評価を獲得していました。
Q3:原作短編『盲目剣谺返し』と映画版『武士の一分』の最大の違いは何ですか?
A3:原作小説では加世との離縁や果たし合いの後、別の飯炊き女がやってくる結末となっており、映画のような明確な夫婦の復縁・救済までは描かれていません。山田洋次監督は映画化にあたり、加世の献身と二人の純愛をより強調するため、ラストに加世自身が身元を隠して戻ってくるオリジナルの救済劇へと昇華させました。