「無期雇用になったから、これで実質的に正社員と同じ身分になれた」と誤解するケースは非常に多く見られます。しかし、日本の労働法上、「無期雇用契約社員」と「正社員(正規雇用労働者)」は明確に区別されています。
両者の最大の違いは、待遇設計の根本的な仕組みです。正社員は一般的に「無期雇用+フルタイム勤務+賞与・退職金・昇給制度あり」という総合的な処遇パッケージが用意されています。一方、無期雇用契約社員は「契約期間の定めがない」という点のみが正社員と共通しているだけで、基本給の算定基準や各種手当、ボーナス、退職金の有無は従来の契約社員の就業規則がそのまま引き継がれるケースが通例です。
企業が就業規則で「無期転換後の労働条件は従前と同一とする」と規定(別段の定め)している場合、雇用期間が無期になったとしても、昇給テーブルに乗ることはありません。同一労働同一賃金の原則により理不尽な格差は是正されつつあるものの、業務責任の範囲や人事異動・転勤の有無を理由とした賃金格差は依然として合法的に維持されています。