無償取得した物件の魅力を最大限に引き出す鍵となるのが、リノベーション・DIYの手法だ。プロの業者にすべての改修をフルオーダーすると高額な工事費がかかり、0円で取得した意味が薄れてしまう。しかし、柱や構造体など安全に関わる基幹部分のみを専門業者に依頼し、内装の塗装や床の張り替えをセルフリノベーションで行えば、コストを大幅に削減できる。
近年では、SNSや動画プラットフォームでセルフリノベーションの過程を発信しながら、古い民家をカフェ風のおしゃれな住まいに生まれ変わらせる実践者が注目を集めている。単に住む場所を安く手に入れるだけでなく、「自らの手で空間を作り上げる体験そのもの」を楽しむ価値観が定着してきた。こうした草の根の再生アプローチは、地域資源の再評価にもつながり、過疎化が進む地域の活性化を支える地方創生事業の推進力としても期待されている。