この現象の背後には、現代バラエティの文脈を巧みに操る演出陣の影もある。特に吉本興業のトップ芸人たちがしのぎを削る『水曜日のダウンタウン』や、徹底したシュールレアリズムを貫く『全力!脱力タイムズ』のような番組が見せてきた「虚実の皮膜を弄ぶ手法」が、視聴者のリテラシーを刺激したことは間違いない。
「今の視聴者は、あらかじめ用意された台本通りのボケには反応しません。予定調和が崩れた瞬間や、事務所の垣根を越えた異物混入にこそ熱狂する」と民放プロデューサーは語る。ワタナベエンターテインメントと他事務所のタレントが交錯し、台本にないカオスが生まれた瞬間を、視聴者は敏感に察知して拡散の熱源へと変えていった。