社会正義の名の下に作られた防波堤も、法解釈の現場では激しい反発に直面した。最大のハードルとなったのが、言論の自由を絶対的に保障する合衆国憲法修正第1条である。特定の「言論の内容(犯罪に関する記述)」を理由に資金回収や出版制限を行うことは、政府による不当な検閲にあたるのではないかという強烈な疑念が法学者から突きつけられた。
1991年、激震が走る。ある元ギャングの手記出版を巡る訴訟で、アメリカ合衆国最高裁判所は初期の州法に対して違憲判決を下した。アメリカ合衆国最高裁判所は「犯罪被害者への賠償という目的は正当だが、特定の内容を持つ表現のみを狙い撃ちにして収益を没収する手法は、憲法が保障する表現の自由を過剰に侵害している」と断じた。この判決を受け、全米各州は表現の範囲を直接制限するのではなく、判決確定後の民事賠償手続きを迅速化する方向へと法改正を余儀なくされた。