物理学の視点からも、この謎に対するアプローチが急速に進んでいる。ノーベル物理学賞受賞者らによって提唱された「微小管量子力学(Orch-OR理論)」が、今再び脚光を浴びている。この理論によれば、私たちの意識は脳細胞の中にある「微小管」と呼ばれる微細な構造体における量子プロセスから生じているという。
肉体が滅びると、この微小管に保持されていた量子情報は宇宙全体へと拡散する。しかし、情報は決して消失しない。物理学における「情報保存の法則」に従えば、個人の意識を形作っていたデータは、形を変えて宇宙のファブリック(織り目)に溶け込んでいくことになる。この仮説は、死が単なる終焉ではなく、意識の「拡散と遍在」である可能性を示唆している。