国は相次ぐ被害を受け、問題となった成分(HHCHなど)を次々と指定薬物に追加し、所持や使用を違法化した。これで事態は収束するかに見えた。
しかし、密造グループの対応は早かった。法律で禁止された成分の化学式をわずかに書き換え、規制対象外の「新成分」を瞬時に作り出す。これが、いわゆる「脱法ドラッグ」の無限ループだ。
厚生労働省の担当者は匿名を条件にこう明かす。「規制の網をかけるスピードよりも、海外のラボで新しい化学物質が合成されるスピードの方が早い。現在の法制度の枠組みだけでは、このイタチごっこを完全に終わらせることは極めて困難だ」。