筆者は実際の駅ビル店頭および利用者のコミュニティ(SNS・知恵袋・掲示板)において、どのようなトラブルや誤解が生じているかをフィールド調査しました。現場からは、ポイント制度の複雑化に伴うリアルな摩擦が浮き彫りになっています。
大手質問サイトに投稿された都内在住の会社員の告白は象徴的です。「アトレの食料品売り場でJRE POINTカードを提示し、モバイルSuicaで支払った。Suica利用ポイントが200円につき1ポイント付くと信じていたが、翌月明細を確認しても提示分の1%しか付与されておらず、駅員やサービスカウンターに問い合わせて初めて『二重には付かない』と知らされて愕然とした」という声が寄せられています。
現場のレジオペレーションを観察すると、利用者が「JRE POINTカードを出してからSuicaをタッチする」際、店員側は単に「ポイントカード読取処理」を実行した後に「交通系電子マネー決済」のボタンを押しているに過ぎません。POSシステム側では、JRE POINTの会員コードが入力された時点でSuica番号との多重付与判定が行われ、決済側のポイント付与トリガーが自動的に停止します。この自動制御の挙動を知らない一般消費者にとって、「提示したのに付かない」という不満や不信感が蓄積しやすい構造が放置されています。
一方で、ビューカードのオートチャージ機能を熟知しているユーザーからは、「改札を通過するだけで勝手に1.5%がチャージされ、アトレの会計ではアプリのバーコードをかざすだけで2.5%が確定する。店側の仕様に文句を言う前に、チャージ側でポイントを回収するのが鉄則」という冷静な証言も得られました。制度の盲点を知っているか否かだけで、同一の労力に対して得られる果実に圧倒的な格差が生じています。