タレントや俳優がメインキャストを務めるアニメーション作品では、公開時に「声優が本業ではないキャストで大丈夫なのか」「演技が下手なのではないか」といった懸念が持ち上がることが少なくありません。しかし、『映画 えんとつ町のプペル』における声優陣の評判は、公開直後から極めて高い評価で占められることとなりました。
主要映画レビューサイト(FilmarksやYahoo!映画など)やSNS上の声を多角的に検証すると、「プペルの声優は上手い」という声が大多数を占めています。具体的に観客が称賛したのは以下のポイントです。
- 窪田正孝の息遣いと無垢な質感:「最初は窪田正孝だと気づかなかった」「ゴミ人間のぎこちない喋り方から徐々に心が通い合う過程の演じ分けが凄まじい」と、キャラクターと同化する憑依型の演技が高く評価されました。
- 芦田愛菜の圧倒的な感情表現:「クライマックスの叫び声で涙腺が崩壊した」「少年の声として一切の違和感がなく、セリフの一つひとつに説得力がある」と、子役時代から培われた表現の深さに感嘆する声が続出しました。
- プレスコ方式がもたらした自然な掛け合い:本作はアニメーションを後から描く「プレスコ(プレスコアリング)」手法が一部採用されており、役者のリアルな息遣いやアドリブ、セリフの間がそのまま映像に反映されたため、タレント吹き替え特有の浮いた違和感が完全に排除されていました。
一方で、ごく一部で見られた「下手」あるいは「合わない」とする意見を分析すると、演技力そのものへの批判というよりも「従来の専業声優によるアニメ的な発声スタイルを期待していた層」からの好みの差異に起因していることが判明しています。記号化されたアニメ声ではなく、実写映画に近い生々しい感情の揺らぎを追求した演出方針が、結果として作品独自の情緒を決定づけました。