消化にいい野菜を選んだとしても、調理法を誤れば胃への負荷は倍増します。胃腸が弱っている際の調理において死守すべき絶対原則は「物理的微細化(刻む・すりおろす)」と「細胞壁の熱破壊(煮込む)」、そして「脂質の極小化」です。
野菜の細胞を取り囲む細胞壁は硬いセルロースでできており、ヒトの体内酵素では容易に分解できません。しかし、十分に加熱することで細胞間を繋ぐペクチンが溶け出し、組織が軟化してわずかな胃の蠕動運動で消化液と混ざり合う状態(乳び化)が完成します。さらに、皮の付近には硬いスジが密集しているため、大根や人参は皮を2〜3ミリほど厚めにむくことが臨床的にも推奨されています。
【胃をいたわる基本の和風クタクタ野菜スープレシピ】
- 材料(2食分):大根 5cm分、人参 1/3本、キャベツの柔らかい葉 1枚、だし汁(かつお・昆布)400ml、醤油 小さじ1、みりん 小さじ1/2、塩 ひとつまみ。
- 下準備:大根と人参は皮を厚めにむき、繊維を断ち切るように1cm角の薄切りにする。キャベツは太い芯を完全に取り除き、一口大にちぎる。
- 調理手順:
- 小鍋にだし汁と大根、人参を入れ、強火にかける。
- 沸騰したら弱火に落とし、落とし蓋をして野菜に竹串がスッと通るまで15分間じっくり煮込む。
- キャベツと調味料(醤油、みりん、塩)を加え、さらに弱火で5〜7分煮込み、キャベツが透き通るほど柔らかくなったら火を止める。
- ポイント:油分(炒め油やごま油)は一切使用しないこと。脂質は胃の運動を抑制する消化管ホルモン「コレシストキニン」を分泌させ、胃内滞留時間を跳ね上げてしまいます。