東映での大ヒットに続き、東宝で主演を務めた『修羅雪姫』(1973年)は、梶芽衣子の国際的評価を決定づけた金字塔です。明治時代を舞台に、家族の仇を討つためだけに生きる美しき刺客・鹿島雪を演じた本作では、純白の着物を鮮血で染め上げる殺陣の美しさが際立ちます。
本作でも過剰な裸体露出に頼ることなく、哀しい宿命を背負った女性の情念を、所作や視線、そして着物の襟元から覗くわずかな艶っぽさだけで完璧に表現し切りました。このストイックな美学に心酔したのがタランティーノ監督であり、名作『キル・ビル』におけるルーシー・リュー演じるオーレン・石井のキャラクターや雪の庭での決闘シーン、さらには梶芽衣子が歌う主題歌「修羅の花」の劇中採用へと繋がっています。
また、過去に出版された写真集やグラビアにおいても、いわゆるヌードグラビアとは一線を画し、研ぎ澄まされた表情美やファッショナブルなポートレートが中心です。肌を露出せずとも見る者を魅了してやまないカリスマ性は、当時から群を抜いていました。