大会中、花道や土俵脇で選手たちに温かい視線を送り続けている人物がいる。大会主宰者であり、元宮城野親方としても知られる白鵬翔その人だ。現役時代は圧倒的な強さで大相撲の歴史を塗り替えた大横綱だが、子供たちと向き合う眼差しはどこまでも優しく、そして熱い。
「勝った喜びだけでなく、負けた悔しさから何を学び取るかが大切なんだ」。敗れて涙を流す少年の肩をそっと抱き寄せ、静かに言葉をかける姿が印象的だった。大会運営の指揮を執りながら、自ら土俵近くで指導を行うなど、次世代の原石を育て上げたいという強い想いが舞台裏のあちこちから溢れ出ていた。