科学的証拠の再構築に伴い、捜査本部がマークしたのは、事件発生当初「完璧なアリバイ」を誇り捜査対象から外れていた被害者の元事業パートナーだった。現場周辺の防犯カメラ映像の再解析と、デジタルフォレンジックによる暗号化通信の復元により、アリバイ工作の破綻が次々と証明された。
犯罪心理学の専門家は、犯行の冷酷さと工作の執拗さから「自己愛的な全能感と強い復讐心」が背景にあると指摘する。表向きは親密な協力関係を装いながら、裏では膨大な利益分配をめぐる確執が長年続いていた。遺体を著しく損壊させた真の動機は、身元判明を遅らせるだけでなく、被害者という存在そのものを社会から消し去りたいという歪んだ憎悪の表れだったのだ。