博物館のすぐ外に広がる緑豊かな長居植物園は、館内の学びを自然のリアルな息吹へとつなげる最高のフィールドだ。日本の植物分類学の父として知られる牧野富太郎が残した「植物を愛し、観察し、記録する」という精神は、この園内と博物館の展示コンセプトに今も深く息づいている。太古のシダ植物から現代の被子植物に至る進化の系譜を、生の植物を観察しながら学べる環境は全国的にも極めて珍しい。
館内で恐竜時代や太古の植物化石を観賞した後に長居植物園を散策すると、身近な草木が全く異なる表情で見えてくる。葉脈の走り方や花の構造一つひとつに、進化の歴史が刻まれていることに気づかされるのだ。屋内展示での感動と屋外での自然観察が地続きになる体験は、来館者の知的好奇心を二重にも三重にも広げてくれる。