健康意識の高い人ほど陥りやすいのが、「お腹に良いものを摂れば早く治る」という認知の歪みです。その代表格が乳製品でしょう。インターネット上では「整腸のためにヨーグルトが良い」との言説が散見されますが、胃腸炎 ヨーグルト 乳製品 NGの真相は小腸の組織障害にあります。急性炎症時、小腸粘膜の微絨毛に存在する乳糖分解酵素(ラクターゼ)は一時的に激減します。この状態で乳製品を摂取すると「二次性乳糖不耐症」を引き起こし、分解できない乳糖が腸内で異常発酵して浸透圧性下痢を爆発的に悪化させるのです。
果物に関しても細心の注意を払わなければなりません。胃腸炎 バナナ りんご 果物の影響を分析すると、同じ果物でも明暗が分かれます。柑橘類(みかん、グレープフルーツ)やパイナップルに含まれる強烈なクエン酸や蛋白分解酵素は胃壁を痛めつけます。一方で、完熟バナナやすりおろしりんごに含まれる「ペクチン」は水溶性食物繊維として便の性状を整える助けになりますが、これも吐き気が完全に治まる前の急性期に投与すれば、未消化果糖がガスと膨満感を生み出す原因となります。
市販の一般的なスポーツドリンクをそのままがぶ飲みすることも禁物です。糖分濃度が高すぎるため、高浸透圧によって体内の水分が腸管内へと引きずり出され、かえって下痢便の水分量を増やして脱水を加速させる皮肉な結末をもたらします。