ダツを美味しく味わう大前提として、絶対に軽視してはならないのが「命に関わる危険魚である」という事実です。海上保安庁の事故事例や海洋医療の記録には、ダツによる刺傷事故が幾度となく記録されています。ダツは海面付近を遊泳中、驚異的な瞬発力で時速60km近くに達するスピードで跳躍します。鋭利なクチバシは骨質の槍そのものであり、人体に突き刺されば内臓損傷や頸動脈切断による死亡事故へと直結します。
特に危険が跳ね上がるのが夜間です。ダツの夜釣りでの危険性の根源は、獲物の小魚が放つ光反射に反応する強い「走光性」にあります。釣り人が海面に向けてヘッドライトを照射した瞬間、光を目がけて海中からミサイルのようにダツが突撃してくる事故が頻発しています。夜釣りの現場では、絶対に海面をライトで直接照らさないことを徹底してください。
万が一針にかかった場合は、ダツ 釣れた時の対処法として以下の安全手順を厳守してください。
まず、海面から抜き上げる際は決して魚体を手で直接掴もうとせず、タモ網で確実にランディングします。足元に魚体を置いたら、暴れる頭部を大型のフィッシュグリップでがっちりと固定してください。そして何よりも最優先すべきは、頑丈な万能ハサミやプライヤーを使い、危険なクチバシを根元からバチンと切断することです。武器である槍を奪ってしまえば、牙による咬傷事故のリスクは激減します。その後、エラ膜を切開して海水を入れたバケツでしっかりと血抜きを行い、たっぷりの氷潮で芯まで急冷して持ち帰るのが、安全と鮮度保持を両立させる鉄則です。