経年劣化や走行中の飛石によってブーツに亀裂が入ると、内部からグリースが飛散し始める。初期段階では目立った症状が出ないものの、内部の油分が枯渇して金属疲労が進むと、ハンドルを切った際や段差を乗り越えた瞬間に「ゴトゴト」「カタカタ」「ギシギシ」といった不快な異音が足回りから発生するようになる。これは金属パーツが滑らかさを失い、互いに打ち合わされている危険なシグナルだ。
日本自動車連盟(JAF)に寄せられる足回りトラブルの救援要請の中には、こうした微小な破れの放置が原因で起こるケースも少なくない。異音を無視して高速走行や急な旋回を続ければ、最悪のシナリオとしてボールジョイントがロアアームから抜け落ち、タイヤが明後日の方向を向いて制御不能となる。自分自身だけでなく、周囲の車両や歩行者を巻き込む重大事故へ直結しかねないリスクがそこには潜んでいる。