WBCにおける中継形態のシフトは、世界のメジャースポーツ界全体で起きている地殻変動そのものです。サッカーのFIFAワールドカップやオリンピック、NFL、プレミアリーグなどでも同様に、巨額の資金力を持つグローバルテック企業がスポーツのライブ放映権を次々と獲得しています。
プラットフォーム企業にとって、生中継のスポーツコンテンツは有料会員の新規獲得とエンゲージメント向上を同時に実現できる「最強のキラーコンテンツ」です。数百万人が同時に熱狂するプレミアムイベントを独占あるいは共同配信することは、サブスクリプション契約の継続に直結します。
この潮流は地上波テレビのあり方にも大きな再定義を迫っています。かつてのように「すべての試合を無料の地上波で流す」モデルから、「ナショナルイベントとしての熱量を最大化する地上波」と「全試合網羅・オンデマンド機能を提供するネット配信」が共存し、役割を分担するハイブリッド構造が完全に定着したと言えます。