日本における植物研究の父として知られる牧野富太郎博士の波乱万丈な生涯を描いた連続テレビ小説『らんまん』の放送以降、足元に生い茂る草木やシダ植物に対する国民的な関心が飛躍的に高まった。
牧野博士が全国を足で巡り、数多くの植物標本を採集して記載した情熱は、令和の現代においても山菜狩りや野草観察ブームの底流として息づいている。太古の地球から姿を変えずに生き残ってきたシダ植物の系統樹において、ワラビ科とゼンマイ科はそれぞれ独自の進化を遂げてきた。
植物学的な視点から見れば、ワラビは日当たりの良い尾根や草原を好み、ゼンマイは湿り気のある沢沿いや日陰を好む。テレビドラマをきっかけに植物採集を趣味にした人々が、こうした自生地の違いや分類学的な奥深さに魅了され、里山へ足を運ぶケースが増加している。