連載中に一部の読者から「面白くない」「読むのがしんどい」というネガティブな感想が寄せられた背景には、長編ならではの構造的なハードルが存在していました。主な理由は以下の4点に集約されます。
① 登場人物が多すぎて視点が細切れになったこと
麦わらの一味に加え、赤鞘九人男、光月家、百獣海賊団の大看板や飛び六胞、オロチ一派、ワノ国のヤクザ勢力、さらには最悪の世代の海賊たちなど、数百名規模の重要キャラクターが一堂に会しました。各戦局を丁寧に描くあまり場面転換が頻発し、「誰がどこで戦っているのか把握しづらい」というストレスを生む要因となりました。
② 兎丼(うどん)囚人採掘場編の進行スピード
物語序盤から中盤にかけて、カイドウに敗れたルフィが囚人採掘場で過酷な労働と修行(流桜の習得)を重ねる展開が続きました。毎週1話ずつ追う読者にとっては話の進展が緩やかに感じられ、「ルフィがなかなか脱出しない」「爽快感が足りない」と受け止められた時期がありました。
③ 光月おでんの過去編が長期に及んだこと
単行本95巻から96巻にかけて描かれた光月おでんの過去編は、ロジャーや白ひげの航海、世界の秘密に迫る超重要パートでした。しかし、約半年近くにわたり本編の決戦準備がストップしたため、リアルタイムの熱量を維持するのが難しかった層から「過去編が長すぎる」との声が漏れる結果となりました。
④ 敗北と挫折の描写が続いた重苦しい空気感
貧困と飢えに苦しむおこぼれ町の現状やSMILE(人造悪魔の実)の残酷な副作用など、ワノ国が抱える闇は極めて深刻でした。主人公側が一方的に虐げられる期間が長かったことも、痛快な冒険活劇を求めるライト層には重荷となった側面があります。