亡くなる数時間前の前兆とは?呼吸や意識の変化と後悔しない看取りの極意に関する詳細情報を丁寧にまとめました。専門的な情報をご確認ください。

看取りの現場で家族が最も動揺し、胸を痛めるのが亡くなる数時間前の呼吸の変化です。普段のリズムとはまったく異なり、あごを突き出すように上下させて大きく息を吸い込むような動作をする下顎呼吸(かがくこきゅう)や、深く早い呼吸と無呼吸を繰り返すチェーン・ストークス呼吸が現れます。

喉の奥から「ゴロゴロ」「ゼロゼロ」と音が鳴る「死前喘鳴(しぜんぜんめい)」も重なると、家族は「窒息しそうで苦しいのではないか」「痰を吸引してあげなければ」と焦ってしまいがちです。しかし、終末期医学の臨床研究において、この段階では脳幹の呼吸中枢機能の低下に伴い意識レベルが深く低下(半昏睡〜昏睡状態)していることが立証されています。

つまり、あえいでいるように見える動作は反射的な生体反応であり、本人が呼吸困難の苦しみを感じているわけではありません。この時期に無理な痰の吸引(サクション)を行うと、かえって粘膜を傷つけたり刺激による苦痛を与えたりするため、医療者と相談のうえ、顔を横に向けて排痰を促す体位調整を行うのが適切です。