致命傷を負いながらも蒙武や信の決死の奮闘によって趙軍の包囲を突破した王騎は、静かに軍を止め、残された者たちへ最後の遺言を遺します。
長年苦楽を共にしてきた忠実な副官・騰(とう)に対し、王騎は「騰 あなたの力は私と遜色ありませんよ」「王騎軍の全軍の指揮権をあなたに委ねます」と告げます。常に一歩引いて王騎を支えてきた騰の実力を誰よりも高く評価していた王騎の言葉に、騰は静かに「ハ!」と応え、その遺志を継ぐ覚悟を固めました。
そして、自身の馬上に引き上げた信に対しては、戦場全体を一望させながら「これが将軍の見る景色です」と語りかけました。百将に過ぎなかった信に将軍としての視野と器の大きさを魂で教え込み、自身が振るい続けた巨大な大矛を信へ継承させたのです。この瞬間、六大将軍の時代から次世代を担う若き武将への歴史的なバトンタッチが果たされました。