検索エンジンで「万座温泉 日進舘」と入力すると、関連ワードに「心霊」という不穏な単語が表示されることがあります。この噂の背景を追跡取材したところ、事故や事件といった具体的な事象に起因するものではなく、建物の構造と特異な自然環境が生み出した錯覚であることが判明しました。
日進舘の最も歴史ある「ゆけむり館」は純木造の古い建築であり、夜間に気温が急激に低下すると木材が収縮してパキパキと音を立てる「家鳴り(やなり)」が発生します。さらに、夜間の万座温泉一帯は深い濃霧と立ち込める白い硫黄煙に包まれ、風の音が建物の隙間を抜ける際に独特の風切り音を生じさせます。こうした山奥の古い湯治宿特有の雰囲気が、一部の宿泊客の想像力を刺激し、ネット掲示板やSNSを通じて「心霊の噂」として誇張・拡散されたというのが真相です。
一方、低評価の口コミで見られる「エレベーターがなく階段移動がきつい」「隣室の足音が響く」といった声は実態に基づいています。現代的なシティホテルや最新の温泉リゾートの基準で「ゆけむり館」に宿泊すると、設備の古さに戸惑うケースが少なくありません。快適性を重視する場合は、最初から本館や別館、万寿庵を選択することがトラブルを防ぐ最大の鉄則です。