閉ざされたコミュニティや上下関係が存在する場では、加害意識の希薄さから深刻な事件に発展する傾向が見られます。特に職場におけるセクハラとわいせつ行為の違いは、単なる民事上の不法行為や社内懲戒の対象にとどまるか、刑事責任を問われるかという重大な分岐点を含んでいます。
言葉による性的な嫌がらせや不快な言動は男女雇用機会均等法上のセクシャルハラスメントとして企業責任や民事上の損害賠償請求の対象となりますが、立場を利用して無理やり身体に触れたり、業務命令を盾に密室で抱きついたりする行為は、即座に刑法上の不同意わいせつ罪に該当します。「業務上の指導や親睦の延長」という弁明は法的に一切通用しません。
また、教員のわいせつ行為による懲戒免職ニュースが連日報じられている通り、教育現場における児童・生徒への性的加害には極めて厳罰な対応が取られています。「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(わいせつ教員対策法)」の運用により、児童生徒へのわいせつ行為を行った教員は原則として懲戒免職処分となり、教員免許の再取得に対しても厳格な制限が課されます。立場を利用した支配関係に基づく行為は、社会的信用と職を一瞬で失う致命的な結果をもたらします。