外郎売の全文をふりがな・現代語訳付きで徹底解説!プロの滑舌練習法とコツ

外郎売の全文をふりがな・現代語訳付きで徹底解説!プロの滑舌練習法とコツ

外郎売の全文をふりがな・現代語訳付きで徹底解説!プロの滑舌練習法とコツの基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。

『外郎売』を表現力豊かに発声するためには、語られている内容の情景を脳裏に克明に描き出す作業が欠かせません。この演目の骨子は、「小田原の薬売りが、客を引きつけるために自慢の薬『透頂香』の驚異的な効能を滔々と語り、実際に飲んでみせて絶好調になった口の回転を早口言葉で証明する」という一種のエンターテインメント実演販売です。

外郎売の現代語訳(ダイジェスト)

「皆様方、私どもの主人をご存知の方もおいででしょう。江戸から西へ二十里、相模の国・小田原の一色町を通り過ぎ、円輪寺の東へ行きますと、看板を掲げた名高い薬屋『外郎』がございます。
現在は出家して円斎と名乗っております。昔、中国(明)から渡来した『ういろう』という人物が朝廷に参内した際、この秘薬を調合して献上しました。『冠の中に入れておき、息を引き取るような急病の際にも、頭頂から薬効を通わせ、頭痛やめまいを神業のように治す』と申し上げたところ、帝より直々に『透頂香(とうちんこう)』というありがたい名を賜りました。
ひらがなで『ういろう』と書く偽物も出回っておりますが、代々受け継ぐ我が家の本物は、小田原の地で薬草を調合し、俵に虎の皮を張った看板を目印にしております。
さあ、この薬の効き目は言葉では言い尽くせません。飲めば舌が銭独楽のように滑らかに回り出します。まず一粒飲んでみてください。胃も心臓も肺も肝臓もすっきりと健やかになり、喉から爽やかな香気が立ち上り、口の中に心地よい風が吹くようです。魚や鳥、キノコや蕎麦などの食中毒も、風が雲を吹き払うようにたちまち消し去ります。
ご覧なさい、この薬を一粒飲んだ私の舌の回りようを! アカサタナ、ハマヤラワン……(早口言葉の連射へ)」

歴史的事実として、「外郎(ういろう)」は室町時代に中国から帰化した陳外郎(ちん・ういろう)が伝えた丸薬「透頂香」に始まります。公家や武士の間で万能薬・口臭清涼剤として珍重され、後に外郎家が小田原北条氏に招かれて移住したことで、東海道の名物となりました(現在のお菓子のういろうは、薬の口直しとして考案されたものが発祥です)。

享保3年(1718年)、二代目市川團十郎が重い声の病(喉の不調)に倒れた際、この透頂香を服用して見事に全快。その感謝の意を込めて自ら台本を書き下ろし、劇中で早口の言立てを披露したのが『歌舞伎十八番 外郎売』の誕生秘話です。

木村 陽翔
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木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。