外交官といえども、身分は特別職の一部を除き国家公務員である。その基本給は人事院の勧告に基づき、国家公務員給与法の行政職俸給表(一)等に準拠して厳格に決められている。霞が関の外務省本省でデスクワークをこなしている期間の基本給は、他の省庁で働く官僚と一円たりとも変わらない。
20代前半の若手であれば、本省勤務時の月給は20万円台前半から半ば。ボーナスを含めても額面年収は400万円台から500万円程度にとどまる。かつてフジテレビ系列で大ヒットした織田裕二主演のサスペンス巨編『外交官・黒田康作』で見られたような、常に高級ホテルを定宿にし、優雅にカクテルグラスを傾ける生活とは程遠い。深夜に及ぶ国会待機や電報処理に追われる激務の日々がそこにある。
基本給だけで見れば、同世代の総合商社マンや外資系金融マンの足元にも及ばない。では、なぜ「外交官は高給取り」という強烈なパブリックイメージが定着しているのか。その答えは、日本の国境を越えた瞬間に発動する手当の存在にある。