現在、「外道」という言葉は宗教的枠組みを完全に飛び越え、異なるカルチャーの中で独自の市民権を獲得しています。代表的な3つの使用領域を整理します。
1. 釣り用語としての「外道」
釣り船や堤防の現場において、「狙っている本命以外の魚」を総称して外道と呼びます。例えば、マダイを狙って仕掛けを投入した際にヒットしたフグやベラ、エサ取り魚が該当します。ただし、釣り人の間では単なる厄介者として捨てるだけでなく、「外道だが食べてみたら高級魚並みに美味だった」といった愛嬌や敬意を含んだ文脈で使われるケースも珍しくありません。
2. ネットスラング・漫画カルチャーにおける「外道」
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やX(旧Twitter)などのWebカルチャーにおいて、冷酷無比なトラップを仕掛けるプレイヤーや、倫理を無視して効率のみを追求する行動を「外道プレイ」「外道ムーブ」と呼びます。青年漫画やバトル漫画の名台詞(『ジョジョの奇妙な冒険』や『カイジ』シリーズなど)に登場する悪辣なキャラクターの行動様式がミーム化し、半ば様式美として定着した側面を持ちます。
3. 日常生活における「悪逆非道な人物」への指称
親族間での裏切り、詐欺的な搾取、恩義を仇で返すような非人道的な行いに対して、「あの男は外道だ」「人の皮を被った外道の所業」といった形で用いられます。この場合、単なる意見の相違ではなく、人倫や良識を著しく踏みにじる行為への強い告発を含みます。