日本の過去の物語は、いまや国内の歴史愛好家だけのものではない。エミー賞を席巻した本格ドラマ『SHOGUN 将軍』の世界的大ヒットは、海外における日本の武士や政治劇への認識を一変させた。
かつてオリエンタリズム的な誇張で描かれがちだった時代劇の作法は終わりを告げ、徹底した時代考証に基づいた重厚な人間ドラマが世界中の視聴者を熱狂させている。生と死の狭間で繰り広げられる知略戦や忠義の複雑さは、国境を越えて普遍的なエンターテインメントとして評価された。世界が求めるのは記号化されたサムライではなく、矛盾に満ちた生身の人間ドラマなのだ。