家庭の救急箱によくある「メンソレータム」や「タイガーバーム」は、ヴェポラップと同じ軟膏タイプであるため代わりになると思われがちです。しかし、配合されている有効成分の比率と医薬品としての効能効果には明確な違いがあります。
メンソレータム(第3類医薬品)は、ひび・あかぎれ・しもやけや皮膚の痒みを鎮める外用消炎薬が主目的です。カンフルやメントールを含んでいるため、胸に塗るとスッとした爽快感は得られますが、ヴェポラップのように「胸・背中に塗って蒸気を吸入し、鼻づまりや咳を鎮める」という適応症(効能)は認められていません。どうしても代用として香りを嗅ぎたい場合は、直接皮膚へ広く塗り広げるのではなく、ティッシュに少量取って枕元に置く吸入補助としての使い方が推奨されます。
一方のタイガーバーム(第2類医薬品)は、筋肉痛や肩こり、腰痛の鎮痛を目的としており、局所刺激作用を持つチョウジ油や高濃度のカンフルが配合されています。皮膚刺激が非常に強いため、風邪時の胸部塗布や呼吸器ケアとしての代替には適していません。特に子どもの皮膚には刺激が強すぎるため使用を控えましょう。