家電量販店の修理窓口担当者やエアコン取付業者への取材、さらにSNSやコミュニティサイト上で寄せられる数千件の相談事例を精査すると、カタログスペックには載っていない現場ならではのリアルな実態が浮かび上がってきます。
「リモコンが壊れたと思い込んで量販店に駆け込み、新しいリモコンを購入したが本体が全く動かなかった」というトラブルの典型例として、「部屋のLED照明を交換した直後からエアコンの感度が著しく落ちた」という相談が年々増加しています。特に安価な海外製LEDシーリングライトから放出される微弱なノイズ波や光の波長が、エアコンの赤外線受光センサーを常時飽和させてしまい、リモコン信号をマスキングしてしまう現象です。この場合、部屋の電気を一時的に消してリモコンを操作すると、何事もなかったかのように動くケースが頻発しています。
また、賃貸住宅におけるトラブルも見逃せません。大手管理会社の設備担当者によると、「賃貸アパートに備え付けのエアコンが動かない場合、勝手に修理業者を呼ぶと費用請求がトラブルになる」と警告します。自然消耗や設備自体の経年劣化による受信部故障であれば貸主(オーナー)負担が原則ですが、入居者がリモコンを落下させて破損させた場合や、電池の液漏れを長期間放置したことによる腐食は入居者の自己負担(善管注意義務違反)となるため、初動の事実確認が極めて重要です。